世紀末にさよならを

<主な登場人物>

・私・
本作の主人公。
さまざまな境遇に恵まれずに大学生活を迎え、燃え尽き症候群による後遺症に悩まされながら、日々迫る留年の危機に頭を抱えて生活している。
ニヒリズム、ルサンチマンの塊であり、新たな依存先や将来のビジョンを探し求め、露頭にまよっていたところに、友人である谷野から、勉強会を装ったマルチ商法に誘われる。

谷野
・谷野洋介・
受験戦争から転落した過去により、新たな救済(新興宗教の洗脳)を手に入れ、第二の人生を歩んでいる信者の大学生。
それまでは、主人公の『私』とは顔見知り程度の関係だったが、教団で決められたノルマのために、彼を誘ったことにより、親密が深まっていった。
本人は、マジメで完璧主義だが、「世の中こんなものだよね」と、流されるような社会の不条理や裏切りの横行に、許されないような気持ちや怒りを覚え、それを正すために、命を懸けたテロの計画を淡々と練り始めている。

早乙女
・早乙女・
『私』たちが入会している新宗教の教祖。
大手企業のサラリーマンであったが、組織の末端で平社員として埋もれる現実に、「自分はこんなところで終わるような人間じゃない」と強い不安感を抱き、入社後わずか数年で退職した過去を持つ。
その後は、新たな偽名を使って経典を開き、現在の教団(エトス)を創立した。
表面上は人当たりの良い爽やかな好青年を気取っているが、その本性は、巧みな心理誘導(マインドコントロール)で他者を洗脳し、彼らの人生を破滅へと導く冷酷無比な支配者。
本人にとっては、救済ではなく、自分を無視した社会への復讐(搾取)を目的としている。

荻野
・荻野諭・
早乙女が主導している教団内の幹部の一人。
過去に早乙女に救われた経験から、彼のことを先生と呼び、慕っている。
普段は穏やかで愛想の良い人物だが、過去の不遇な経験と、教義への強い信仰心によって、その性格は大きく歪んでいる。
また、裕福な家庭で育った世間知らずな一面もあり、家父長的な価値観を持つ暴力的な父からの抑圧により、内向的で大人しく、純粋無垢な性格となった。その純粋さゆえに、荻野の弱みにつけ込んだ早乙女に利用されている。


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